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執筆者の写真Akira

日本での社会人一年目。スポーツ医科学に関わる専門家として思うこと。



去年2020年の二月。


「中国でコロナとか言う謎のウィルスが流行ってきているらしい」


と、アメリカでもにわかにニュースになり始めた頃、約7年ぶりに私は日本に本帰国しました。それから早いモノで一年が過ぎようとしています。


社会人として初めての日本での生活。久方ぶりの日本での生活。コロナ架での新しい職場。色々戸惑うこともありましたが、自分の好きなことで生活ができていること、そしてここまでの数々の出会いと縁に改めて感謝です。


アメリカ時代と変わらず、家族からは遠く離れて暮らしていますが、新天地でもたくさんの出会いがあり、刺激的な毎日を送っています。


今日は専門的なことではなく、約1年間日本で仕事をしながら、なんとなく感じてきたことを少し言葉にしてみたいと思います。


日本に帰国して相談を受ける機会が増えた


時差が無かったり地理的な距離が近まったこともあってか、周りの人から怪我やトレーニングについて相談を受ける機会が増えました。


「足首の捻挫をして、ずっと松葉杖なんだけどどうしたら良い?」


「ベンチプレスを100kg目指したいんだけど、どうやってトレーニングしたら良い?」


「痩せたいんだけど、ランニングって痩せるの?他に良い方法ある?」


などなど、競技スポーツに関連したことから、もっとgeneral populationよりのフィットネスやウェルネスに関連する質問まで。


このように頼って頂けることは非常にありがたい限りです。


スポーツ医科学の専門家は増えてる。が、正しい情報が届いていない現状


日本スポーツ協会のアスレティックトレーナー だけを見ても、その人数は年々増えています。


知り合いから相談を受けるように、個人レベルの肌感覚では我々のようなスポーツ科学やスポーツ医学の知識や経験に長けた専門家は確実に必要とされています。


しかしながら、現状としてどれだけの専門家がスポーツ現場で力を発揮できているかは疑問が残ります。


誤解を恐れずに言うと、ジムでパーソナルトレーナーをしながら生計を立てて、その傍らで少ない報酬もしくはボランティアでスポーツ現場で"トレーナー活動"をやっている人も少なくないと思います。


大学受験の際にお世話になった予備校の先生から「"トレーナー”として生計を立てるのは難しいのが現状ではある。できないことではないけれども」といったようなことをお聞きしたのを今でも覚えています。2008年の冬のことだったでしょうか。


それから十年以上が経ち、アスレティックトレーナー の養成校が増えたり、日本アスレティックトレーニング学会が発足したり、間違いなく進歩はしていますが、まだまだ多くの人たちがスポーツ現場での限界を感じて、違う道を進まざるを得ないのが現状ではないでしょうか。これはアスレティックトレーナー に限った話ではありません。


プロスポーツでも働ける枠は限られています。これもあくまでも個人的な感覚ですが、プロスポーツであっても決して高くない報酬で自らの時間を削って、身を粉にして働いている専門家も少なくないと思います。「プロスポーツ」ですらそういった現状です。


大学や高校での雇用も多くはありませんし、ましてや小学生中学生年代になれば尚更です。トレーナー会社からの派遣で週数回もしくは月数回トレーナーがくるというチームがいたらラッキーな方ではないでしょうか。


これが私が日本で働いた1年間で感じているスポーツ医科学業界の現状です。たかが一年と言えばそれまでですし、「いや、そんなことないよ」という方がいらっしゃったら是非ご教授いただきたいです(皮肉ではなく率直に)。


「そりゃアメリカと比べれば仕方ないでしょう」とは思うものの、いくら専門性を高めようともこの現状を考えると専門性を極めるでは限界に達するとことも感じています。


アスレティックトレーナー やコンディショニングコーチとしての狭い枠ではなく、「個人事業主」としてどうやってこの社会でやりたいことをやりながら暮らして行けば良いかを考える今日この頃です。


誤解を招かないように付け加えると、"今ある現状"をキープ出来るように立ち回れば生活に困ることはまずありません。


でも、今が一生続くことではないことを理解しているからこそ、こういった時間ができた時にふと危機感を感じるのです。これはアメリカで仕事をしながらもふと日本での自分の姿を想像した時にも感じたものです。


私が情報発信をする理由。このブログを通してやりたいこと。


そもそもこのブログを始めた理由の一つは、もはや半分フリータイムの趣味と化している、論文や専門書、ポッドキャストなどを通した得た専門知識をアウトプットしたかったからです。(人生仕事だけではないですから、今年は"Youtuviwer"以外にもいろんな趣味を見つけたいと思います。我ながら良い言い回しだと思うのですがどうでしょうか?笑)。


発信することによりインプットしたものが整理されますし、文章に起こすことでアウトプットのスキルも磨かれます。


周りの知人・友人が専門的な意見を求めてくれる様に、現場レベルの人たちに正しい知識を伝えることも、このブログを通して続けてやっていきたいことです。


それと同じくらいにやりたいこと。それは日本で活動する同じ分野の専門家の人たちと繋がることです。


とは言えコロナの影響で、コミュニティを広げたいと思っても直接会うことが叶わないので、日本での繋がりはそこまで広がっていません。


「If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together (早く行きたければ一人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け。」


と言ういうように、一人では到底できることが限られていて、コミュニティを広げていく大切さを改めて感じているところです。


仲間を増やして、この業界がもっと夢のあるオープンなものにしていきたい。そう思っています。これは"トレーナー"として中堅に差し掛かった自分の役目でもあると勝手ながら思っています。


終わりに


実は細々と留学ブログもやっているのですが、これを始めたのも出来るだけ後の人たちに情報を残すためでもありました、少しでも道標になる様に、このブログも頑張っていければと思います(新年あるあるでかなり意気込んでます。笑 勢いも大事!)。


私は今アメリカで生活していないのでリアルなものはお届け出来ませんが、そちらの方も継続していきたいと思っているので留学に興味のある方や、英語に興味のある方は是非。


仕事では自身初の国際大会も経験出来ましたし、住んでいる街も海も山もあるこれ以上ない素敵な土地で、ありがたいことに充実した生活をさせていただいております。


今年はより多くの縁に恵まれる様に、コロナに注意しながら去年動けなかった分も動いて行きたいと思います。


Wish all of you a happy and healthy new year.


ではまた。


Akira





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